■こどもの本が好きな人 みんなが手をつなぎ 大きな波を起こそう
■このサイトは「こどもの本WAVE(ウェーブ)」の公式ブログです。
since2003.12.30
kodomonohonwave.com

2011年08月26日

WAVE in びわこ2011会場風景

2011年7月30日(土)におこなわれた、WAVE in びわこ2011の会場風景です。

2011年7月30日(土)
滋賀県立近代美術館 講堂にて
午前 「五味さんの絵本を語る」 小野明先生(フリー編集者)
午後 「絵本の時間」 五味太郎先生(絵本作家)

司会:穂積保(こどもの本WAVE代表)

滋賀県立近代美術館で、絵本作家の五味太郎先生と、五味先生と親交の深い小野明先生をお招きして、五味太郎さんの作品や絵本のことなど、縦横無尽にお話をしていただきました。

biwako1.JPG

biwako2.JPG
posted by WAVE at 15:38| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

WAVE in こおりやま2011会場風景

2011年7月24日(日)におこなわれた、WAVE in こおりやま2011のリポートです。

2011年7月24日(日)
こおりやま子ども総合支援センターにて
「優しく創った絵本たち」

出演者:市川里美先生(絵本作家)
司会:穂積保(こどもの本WAVE代表)

kooriyama.JPG


福島県郡山市の「こおりやま子ども総合支援センター(ニコニコ子どもセンター)」で、市川里美先生の講演会が開かれました。開会のご挨拶を、こおりやま文学の森資料館の館長様からいただきました。


kooriyama2.JPG

WAVE代表の穂積保が進行役として市川里美先生に、40年前にフランスへ渡られたときのいきさつやパリでの生活、そして世界各地での取材旅行などについてお話をしていただきました。
posted by WAVE at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2011年06月30日

こころ育む絵本フォーラム in 大村 リポート


2010年11月23日に、長崎県大村市の郡(こおり)コミュニティセンターで、「こころ育む絵本フォーラム in 大村 太田大八先生をかこんで」が開催され、絵本の読み聞かせと太田先生のトークショーがおこなわれました。
太田先生のトークショーは、九州龍谷短期大学教授の二羽史裕さんが聞き手となって進められました。お話いただいた内容の、一部分をご紹介します。

太田大八
大村で久しぶりにお話ができることを、すごくうれしく思っています。
大村は私の子どもの頃の思い出が多いふるさとです。大好きな町で、大村の方々に会ってお話ができることは大変ありがたいと、感謝しております。

二羽史裕
これは今こそ必要なような気がするんですが、「ちょっかんか(直感科)」の話をしていただけませんか。

太田
大村の小学校の頃にね、先生がね、あちこちつれてくわけ。それで今日見たものを、何を感じたかを、レポートみたいに書いて出すんです。ぼくは田圃の横の小川をずっと歩いて、フナが5、6匹が泳いでいたことを、家族連れで一緒に泳いでるなと思って、その通りにレポートに書いて出した。
今でもよくその風景を思い出すんだけど、あの先生はあちこちつれてって、何もいわないで、今日何を見て、何を感じたかを、そういうことを答案として出させるんだよね。これが「ちょっかんか」っていう授業。あれはすばらしい、いい授業だなと、今は思いますね。

小学生からの質問
どんな遊びが好きですか?

二羽
今じゃなくてこどもの頃ですよ(笑)

太田
あのときは、かくれんぼとか、あとはなんだろうねえ。
昔はわらじを履いて、わらの感触がものすごくよくて、周りを走り回ったりして、楽しかったですね。
こどものうちから絵本みたいなものを見せると、感性に入りやすいこどもの頃の思い出というのは一生忘れないように心の中に入り込む。一番大事な時期に絵本を見せると、その人の人間形成の大本のいい材料になる。
絵本には絵と文というものがあって、絵は色彩と形、文は音声と感性。その二つがそれぞれ人間形成の力になる。それをこどものために作りたいということで、今も一生懸命やっています。
posted by WAVE at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2011年06月17日

(訂正)WAVE in たじみ2011のお知らせ

■こども陶器博物館(岐阜県多治見市)にて「WAVE in たじみ2011」が開催されます!

WAVEが2011年夏、たじみにやってきます!!
皆さまふるってご参加下さい!! まだ残席がありますので、当日まで募集を延長いたします。会場へ直接電話にてお申し込み下さい。

第一日目 2011年8月6日(土) 13:00〜 受付
第一部[WAVE1-A] 
 13:30〜14:30 講演「市川さんと一緒に創った絵本」
 出演:角野栄子(児童文学者)
第二部[WAVE1-B]
 15:00〜16:30 対談「優しく創った絵本たち」
 出演:市川里美(絵本作家)、穂積保(こどもの本WAVE代表)
 ゲスト:こみねゆら(絵本作家)

第二日目 2011年8月7日(日) 10:00〜 受付
第一部[WAVE2-A]
 10:15〜12:00 ワークショップ「絵本の世界を陶器に描こう!」
 講師:角野栄子、市川里美、こみねゆら、黒川みつひろ
※出来上がった陶器は焼成した後にお引取りか郵送いたします。
 焼き上がりまで数週間から一ヶ月ほどかかります。
第二部[WAVE2-B]
 13:30〜15:30 ワークショップ「恐竜の絵を描こう!」
 講師:黒川みつひろ(絵本作家)


会場:こども陶器博物館
〒507-0071 岐阜県多治見市旭ヶ丘10-6-67 美濃焼卸センター内 Tel:0572-27-8038

●定員:8月6日(土)各イベント80名、8月7日(日)各ワークショップ 30名
●参加費:無料
●参加対象:小学生以上の方(乳幼児の同伴はできません)

【お申し込み方法】

参加希望の方は会場へ直接お電話下さい。
代表者のお名前、人数(4名様まで)、住所、電話番号、ご希望の日にち(6日か7日どちらか)とイベント番号をおっしゃっていただけますよう、お願いいたします。

こども陶器博物館「WAVE in たじみ2011」係
Tel:0572-27-8038

※都合により内容等が変更になることがありますので、予めご了承ください。
posted by WAVE at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

WAVE in こおりやま2011のお知らせ

■福島県郡山市こども総合支援センターにて「WAVE in こおりやま2011」が開催されます!

WAVEが2011年夏、こおりやまにやってきます!!
皆さまふるってご参加下さい!!

◎2011年7月24日(日) 13:00〜 受付(事前申込制)
 13:30〜15:00 対談「優しく創った絵本たち」
 出演:市川里美(絵本作家)、穂積保(こどもの本WAVE代表)

会場:郡山市こども総合支援センター(ニコニコこども館)
〒963-8025 福島県郡山市桑野1-2-3 Tel:024-924-2525
郡山駅よりバスで約15分、「郡山市役所」下車。※駐車場あり。100台収容。

●定員:90名
●参加費:無料
●参加対象:小学生以上の方(託児施設あり。詳細は会場へお問合せ下さい)

【お申し込み方法】

下記宛先に代表者のお名前、人数(4名様まで)、住所、電話番号を明記の上、往復ハガキでお申込下さい。
申込締切後にハガキにて当選のご連絡をいたします。

〒963-8016 福島県郡山市豊田町3-5 こおりやま文学の森資料館
「WAVE in こおりやま2011」係
申込締切:7月17日(日)必着

※申込多数の場合は抽選をおこないます。
※都合により内容等が変更になることがありますので、予めご了承ください。
posted by WAVE at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2011年05月19日

■WAVE in びわこ2011のお知らせ

■WAVE in びわこ2011

2011年7月9日(土)から9月11日(日)にかけて滋賀県立近代美術館で開催される五味太郎作品展 [絵本の時間] に合わせて、WAVEが2011年夏びわ湖にやってきます!
絵本作家の五味太郎先生と、フリー編集者の小野明さんをお招きして、五味先生の作品の魅力と絵本について、たっぷり語っていただきます!

7月30日(土)

午前の部:10時〜11時30分 ※当日受付・先着潤
【講演】「五味さんの作品を語る」 小野明(フリー編集者)

午後の部:13時30分〜15時 ※事前申込制
【講演】「絵本の時間」 五味太郎
会場:滋賀県立近代美術館 講堂

主催:こどもの本WAVE(子どもゆめ基金助成活動)
後援:滋賀県立近代美術館
参加費:無料
参加対象:小学生以上の方(乳幼児の同伴はできません)
定員:190名

午後の部参加希望の方は、往復ハガキに代表者のお名前・人数・住所・電話番号を記入のうえ、下記のお申込先へお送り下さい。
※1枚のハガキで4名様までお申し込みいただけます。
※申込多数の場合は抽選をおこないます。
申込締切:7月10日(日)必着

申込・お問い合わせ先:
滋賀県立近代美術館「WAVE in びわこ2011係」
〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1(文化ゾーン内)
Tel. 077-543-2111
posted by WAVE at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2011年02月24日

WAVE in ながさき リポート

2010年11月21日(日)におこなわれた、WAVE in ながさきのリポートです。

2010年11月21日(日)
長崎県美術館にて
「日本の絵本・戦後60年の歩み(パート3)」

出演者:太田大八先生、和歌山静子先生、田島征彦先生、田島征三先生
司会:穂積保(こどもの本WAVE代表)

司会・穂積
それでは本題の方に入りたいと思います。まず太田先生からお話をいただきたいのですが、1979年に福音館から出版されました『だいちゃんとうみ』は、今回全点の原画が出ることになりました。大村におられたときの思い出をもとに描かれた作品だと聞いているのですが、本の誕生のエピソードなどはありますか?

太田大八
あれはね、小さい頃僕が大村にいて、川棚ってところに太田の本家があったの。そこにこうちゃんっていう息子がいて遊びにいって、一緒に釣りをした話だよね。5、6人いた人たちが今はたった一人だけ残っていて、歳月がたつのは早いものだと思います。こうちゃんと二人で大村湾で釣りをして、朝から夕方まで、みな(巻貝)をとって遊んだり、そういう一日を描いたものです。

穂積
これはたしか「こどものとも」で出たものですよね。単行本ではなくて、月刊誌で最初に出たと記憶しているんですが、本が出た当時はどんなことがありましたか?

太田
92にもなったんで、なかなか思い出せないね(笑)。

穂積
思い出したらお願いします(笑)。今日は和歌山さんにおいでいただいておりますが、戦後60年のあゆみということで、ご覧のように沢山本を持ってきていただいてます。和歌山さんにお話をお願いすると90分全部使ってしまうかも知れないんですが(笑)、征彦さんと征三さんは午後にもお話をしていただきますし、今日持ってこられた本には一冊一冊ちゃんと理由があると思いますので、ぜひお話をお願いしたいと思います。

和歌山静子
ここへくるまでどういうお話の流れになるかわからなかったんですが、とりあえず、太田さんとの関わりはもう45年くらいになります。ここに持ってきた本の半分以上は韓国や中国の本もあるんですが、それは一番最後に太田さんとの関わりの中でお話したいと思います。

今『だいちゃんとうみ』のお話がありましたけれど、私もあの本は大好きで、あそこで何が素晴らしいかっていうと、水の中にうつった足が、決して写実的ではないんですね。太田さんは図案科のご出身ですが、デザイナーらしい感覚で描かれていて、もう1ページ、水の中にもぐっていく女の子のページがあるんですが、よく描けているな、私にはとても描けないっていう感じで、大好きな本なんですね。朝から夕方までの漁村の家族の風景がよく描かれていて。

それから『やまなしもぎ』の模写が会場にありますけど、逗子でワークショップをしたときに私も模写をしたんですね。模写してみたら、太田さんって何て絵のうまい人なんだろうって。鳩がいるんですけど、目が描かれていないんですね。目を入れちゃいけないんです。目を入れると鳩の全体の雰囲気がくずれちゃう。太田さんの絵には、描いてはいけないものがきちんと省略されているんだなって。5時間くらい話してしまいそうなので、この辺でやめますね(笑)。

穂積
日本の作家の皆さんの絵本もお持ちになっていると聞いたんですが。

和歌山
今日は田島さんもいらしてますけど、『ふるやのもり』は1965年、私と田島さんご兄弟は同い年だから25歳の時ですよね。私は武蔵野美術学校で、彼は多摩美術大学です。当時から「多摩美に田島征三あり」って名前がとどろいていて、芸術祭を見に行きました。当時から汚い絵で何だろうこれって(笑)。ベニヤとか段ボールの上にわーっと描かれていて、強烈な印象を受けました。私はまだ寺村さんとも出会っていなくて絵本の世界に入るとは思っていなかったんだけど、あの田島さんのデビュー作ということで、この本は当時から持っていました。

それから長新太さん。太田さんとはとても仲がよくて。太田さんはすごい人で、若い人が個展を開くと必ず行くんですよ。そうすると長さんも誘って見に来てくれる。私は寺村さんのお陰でこの世界に入りましたけど、太田さんと長さんが個展に来てくれるっていうのは、とってもうれしいことだったんです。太田さんの優しさがすごくわかるんですね。

寺村さんの『おしゃべりなたまごやき』は、長さんが最初に絵を描かれて、次が和田誠さんで有名な方が次々に描かれていて、私が描いていいのかしらと思いながら描きましたけれど、長さんの王さまは本来の王さまらしくて大好きな本なんです。太田さんの優しさは色んな本に、『かさ』なんかによくあらわれているんじゃないかな、と思います。長くなるのでこの辺にします(笑)。

穂積
『かさ』は今回の展覧会にも出ています。静かな中で親子の会話が、文字はないけれど伝わってくる名作です。僕は今、『ふるやのもり』当時の、皆さんが25歳だったときを想像しながら聞いていました(笑)。当時僕は高校生くらいでした。大学に入ってスズキコージさんと出会うまでは絵本を知らなかった。たまたま福音館に就職して絵本と関わりができました。田島さんに、是非当時の絵本についてお願いします。

田島征三
『ふるやのもり』が出たのは1965年9月号なんですね。だから僕は24歳です(笑)。描いていたのは1964年。この本が出たことで長さんと赤羽末吉さんからお手紙をいただきまして、是非お会いしたいっていうのでお邪魔しました。そしたら瀬川康男さんが乱入してきて、この泥絵具の溶き方は間違っているって(笑)。

この本のおかげで大先輩と知り合うことができて、その直後に大八さんと会ったんですね。そのときは映画で勝手に僕の絵をパンフレットに使われたことがあった。著作権のことが全然わからなくて、太田大八さんに聞けばいいって言われてお会いしたんですね。そしたら酒のことなんか一言もしゃべってないのに、まずは飲みに行こうって新宿の二丁目に直行して(笑)、長新太さんもいらっしゃって。そのときの感じがはじめて体験する感じで、僕は酒を飲むとおかしな話をしたり、征彦もそうですけど。

田島征彦
お前だけやろ(笑)。

征三
ところが長さんと太田さんが飲んでいる姿は上品で静かで大人の雰囲気なんですね。ああいう風にならなきゃと思って真似したんだけどうまく行かなかった(笑)。その後、その席上で伊豆の話が出るんですね。下田のスナックのおばあちゃんは元気かな、とかって。話は静かなんだけど内容はラディカルなんですよね。あのおばあちゃん、カウンターを飛び越えてきたよね、とか。あと、三木のり子さんと渥美清子さんは元気かなって、その後実際に行ったら三木のり平と渥美清にそっくりなママがいて。そんな話を上品に話している(笑)。

僕はその頃『ちからたろう』を出して、沢山仕事が来るようになったけど、民話の絵本を作る仕事があって。最初は分からないから喜んでやりますって言ったんだけどつまらなくて、ほっといたら催促がきて。一年くらいたって、どうしよう、そうだ、文士が伊豆の温泉で小説を書いたみたいにすれば描けるかなって。原稿料は安いんだけど大赤字覚悟で伊豆へ行こうって思って。太田さんにいい宿がないか、電話で相談したんですね。

そしたら一時間後くらいに僕の家に大八さんがあらわれて(笑)。車に乗り込んだら長さんの家の前について。長さんの奥さんが「あなたたち、仕事が済んで伊豆に行くか、伊豆で遊んでから仕事するかどっちかにしなさい」って言われて。途中から東君平くんが加わって、楽しい旅でした。そのとき太田大八さんの性質というか、素性というかが分かったんだけど、上品な会話だけではなくて、いい加減だっていうこと(笑)。

僕らの本は『激しく創った!!』ってタイトルだけど太田さんは『楽しく創った!!』。本当に遊んでいるのか描いているのか、鼻歌歌いながら描いているんですね。「釣りに行こうか」とか言いながら。でも一番先に仕事は仕上がっているんですね。
その頃、和歌山静子さんを長さんに紹介したりしました。こういう話は前置きで、ちゃんとした話をしようと思ったんだけど、どうしようかな(笑)。

穂積
「いいかげんな大八さん」ということで、このエピソードは紙とエンピツにも書いてあります。でも原稿の締め切りはきちんと守る。魚釣りが大好きで、征彦さんと一緒にヨーロッパでも魚釣りに行ったり。でもあんまり釣れてるのを見たことがないですね。それも太田さんの優しさでしょうか(笑)。えさをつけていないのかも知れません。田島さんご兄弟と先生の付き合いはとても深くて長いのですが、征彦さんからも、太田先生との出会いや作品についてエピソードをお願いします。

征彦
20年先輩の太田さんにどれくらい近づけるかな、横に座ってたらオーラをもらえるかなって思って今座ってます。僕は35くらいで絵本を描き初めて、せいちゃんよりも10年以上遅いんですね。絵本の世界に入って初めてお会いしたのが太田さんなんです。

その頃、せいちゃんと二人でヨーロッパ漫遊旅行に行ったんですね。ボローニャっていう町でブックフェアをやっていて、太田さんともお会いして、3人で旅行に行った。僕は絵本作家として、もちろん太田さんを知っていたんだけど、その方と旅行するので絵本の話をするのかなと思ったら、釣りの話しかしないんですね。ちょっと水溜りがあったら、横に座って糸をたらしている。困ったおじさんだなあ、水溜りのないとこ歩かんといかんなって(笑)。まあそんな付き合いです。どうぞ(笑)。

和歌山
今日も太田さん、何気ない上着着てらっしゃいますよね。でもよく見るとポケットが右側に二つついていて、すごいおしゃれなんです。私の周辺の女性画家の憧れの的でした。絵本の世界で一番ダンディー。すごい優しくて、それからとてもいたずらっこなんですよね。

太田さんは伊豆の紅屋って旅館の常連で、そこで一冊ずつ仕上げるんだけど、あるとき私も一緒に行って、他に多田ヒロシさんとかがいて、私一人が女性だったので4畳半の部屋に泊まったんだけど掛け軸が幽霊みたいで、怖かったんだけど太田さんに言ったら「そう?」って。そのうちトイレに行こうとしたら廊下に白いおばけがでて、何かと思ったらシーツをかぶった太田さんで。太田さん何時間そこで待ってたの?って(笑)。太田さんが60年の間子どもの本の仕事をされてきたのは、そういう子どもの気持ちがあるからなのかなって。

私も今年で70歳になるんですけど、1984年に太田さんと杉浦範茂さん、松井直さん、織茂恭子さん、いわむらかずおさんと韓国に行ったんですね。その頃の韓国はまだまだ絵本に目覚めていなくて、いわむらさんの海賊版が出ていて、しかも誰かが模写した海賊版で下手なんですよね。いわむらさんの絵はすごく上手な人じゃないと真似できないのに。今思うと買っておけばよかったなって思うんだけど。その頃、カン・ウーヒョンさんっていう絵本作家と太田さんは仲がよくて。講談社の賞を取られたんですよね。

穂積
『さばくのきょうりゅう』ですね。

和歌山
彼の案内で韓国を回って。それから15年くらいして日本で穂積さんが韓国の絵本の展覧会をされたら、びっくりするくらい素晴らしい絵本が並んでいました。韓国もすごい力をつけてきたなって。

1989年に日中児童文学美術交流センターっていうのができたんですけど、最初は名前に「美術」が入っていなくて、太田さんが是非美術を入れてほしいってことで入れてもらった。天安門の事件があった年で色々大変だったんだけど、太田さんに言われて理事になった。中国のことは何も分からなかったんだけど、1992年に上海と北京で日本の作家50人の展覧会があって行きました。そのときにすごくはまってしまって、穂積さんの協力で中国と韓国の本を集めるようになったんですね。

最近の中国と韓国の本は素晴らしくて、日本はいずれ追い抜かれると思っています。ここにある本を、会場の皆さんに回してご覧いただこうと思いますので、順番に回してください。
私の「アジア絵本ライブラリー」のきっかけを作ってくださったのは太田さん。田島さんたちのお仕事の発端にも太田さんがいて、午後にいいお話が聞けると思います。

征三
大八さんの展覧会に出ている『詩人の墓』、谷川俊太郎さんの詩に大八さんが、88歳か9歳の時に絵を描かれている。すずらん通りで展覧会を開いていたんだけど、絵を見てびっくりした。才能の一つに長生きっていうのがありますね。80代後半にあんな絵が描ける。半端な抽象じゃなく、オリジナリティのある、太田さんらしい緊張感のある抽象画。是非図録をご覧になってください。

常に新しいことをするにはどうすればいいかっていうのは大事なことなんです。大八さんと親しく仕事をさせていただいて、いつも側で見ているので、僕もそうなりたいと研究した結果、まず朝ごはんの後に歩いて喫茶店へ行ってコーヒーを飲む。必ず行かれるんですよ。それがいいのかなって。それで僕もしばらく駅の喫茶店まで30分歩いて通ってみた。しばらくしてからお会いして「あれやってますか?」って聞いたら「とっくにやめたよ」って(笑)。

それから太田さんに「お元気ですか」って聞くと必ず「もうすぐ死ぬよ」って言われる(笑)。こういう言い方をしていると長生きするんだなって。もう30年くらい前から言われている。僕も真似して人から「お元気ですか」って言われたときに「もうじき死にます」って言ったら「あ、そうなんですか」って言われたけど(笑)。
来月で92歳になられるんだけど、新しい分野に挑戦するのは、絶対に大事なこと。完成してまとめに入ってしまう人が多いんだけど、それをしない大八さんはすごい。

穂積
今のお話を聞いていると、征三さんはやはり科学絵本よりも創作絵本に向いている人なんだなって思いました(笑)。会場の皆さん、今の話は科学的な根拠のない話なので真似しないで下さいね(笑)。

和歌山
太田さんの抽象画は、一年に一回くらいの割合で展覧会を開かれているんだけど、注文された絵本の仕事じゃなくて、自分の世界を描かれている。太田さんが素晴らしい『詩人の墓』の絵を描かれたのも、当然だと思った。日頃から時間があれば絵を描いていて、絵を描くのが本当に好きな方なんですね。

穂積
会場ではアンデルセンの生誕200年の時に描かれたタブローも展示されていますし、図録には他の作品も載せられているので、是非ご覧下さい。今回この展覧会では、他の会場では出ていなかった作品があります。『ながさきくんち』は長崎にゆかりのある作品ということで、出させていただいているんですけど、とても楽しい絵本です。
昨日も展覧会のオープニングで子どもたちの龍(じゃ)踊りがあって、初めて見たんですけど、長崎の伝統的な祭を描いた本です。日本には沢山伝統的な祭があって、田島征彦さんも『祇園祭』を描かれています。是非、征彦さんからこの作品についてもお話をいただきたいと思います。

征彦
あの本を描くときは取材が大変だったんですけど、太田さんもそうだったろうと思います。僕のデビュー作なんですけど、最近復刊しまして、それがきっかけでもう一回祇園祭を見ようと思って。祇園祭っていうのは千年くらいやっている、世界で一番長く続いている大きな祭だから、30年前と変わってないかなと思ったら、ちょっとずつ変わってきてるんですね。応仁の乱で焼けた山鉾がちょっとずつ再建されていて、今は完全に再建された。あと「宵山」って言って夜中に暴れ観音が暴れまわる祭があるんですね。夜中ですから、昔は見ている人も2、3人くらいだった。2年前に行ったら夜中でも人がぎっしり詰まっていて、暴れられない。しょうがないから紐で囲って紐の中で暴れている。そんな風に祭って変わってきてるんだなって思いました。

穂積
同じくこの会場だけで出ている作品がありまして、『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島』。福音館の「たくさんのふしぎ」で出ている作品ですが、月刊誌なのでもう出回っていないんです。文章を描かれている明坂英二さんは長崎の方で、展覧会を楽しみにされていたんですが、残念ながら先月お亡くなりになられました。冥福をお祈りいたします。

太田
ガリヴァーって人は船の船員だったんですね。その人が長崎に来たっていうのは面白いなって思った。長崎の出島って所は面白い場所だったんですね。象が来たりラクダが来たり、外国から入ってくる文化は全部長崎から始まっていたんだよね。料理も食べ物も。出島っていうところは外国文化の窓口として、すごいところだったんだと思います。

穂積
世界的に港町っていうのは異国情緒があって、外国のものが沢山入ってきているんですが、長崎はとりわけ、日本以外の文化がミックスされて現存していますよね。卓袱(しっぽく)料理のように。他の日本にはない文化がある。
今回長崎に来たら飛行機が満席で、沢山の観光客が訪れていて、どこに行っても「竜馬伝」ののぼりが立っているんですが、ここに高知の方が二人います(笑)。
高知と竜馬について、田島さん、一言お願いします。

征三
僕は伊豆にいるときは必ず竜馬伝を見てるんだけど、岩崎弥太郎が薩摩の密偵をしようとして捕まっているのを、竜馬が救い出すんだよね。で、岩崎に「おまん、金儲けもいいけど、これからの日本の行く先を見んといかんぜよ」っていうところが感動的で、僕も何かしないといけないなって思ったりして(笑)。いい番組ですよね(笑)。

大八さんは不真面目な人だけど、すごく真面目なところもあるんです。著作権を守るために組織を作ったり、イラストレーター会議を開いたり、絵本学会も大八さんが立ち上げた。そういう風に急に真面目になるので呆気に取られるときがあります(笑)。でも、大八さんの熱心さで全て実現しているんですよね。絵本学会っていう学会が立ち上がったことで、沢山の人が感謝していると思います。

和歌山
あと、大八さんは童画って言葉を使わないっていうこだわりをお持ちなんですよね。かわいいかわいい絵ではなく、描きたいものを描けば、大人でも子どもでも受け入れてくれる。だから童画という言葉ではなく、イラストレーションという言葉を使ってほしいって、イラストレーター会議を立ち上げられた。一緒に会を立ち上げられた堀内誠一さんとはいつも一緒でしたし、ヨーロッパを一緒に回られたりしていました。

太田
45年くらい前は、絵描きの地位はなかったんだよね。例えば、ある画家の絵本が受賞したときに、授賞式で出版社と作家が椅子に座って、画家は立たされていて、僕はそのことに猛烈に抗議したことがあった。昔は本が出ても、さし絵画家の名前は表紙に書かれなかった。そういう時代だった。昔は編集者が下書きを描いて、絵描きに「こういう風に描きなさい。子どもはかわいく」とか指示を出してたんですよね。それなら編集者が自分で描けばいいよね(笑)。それくらい45年くらい前は絵描きの地位はなかったんだけど、色んな運動をして、絵本画家が市民権を得るようになった。

穂積
そういう時代を経て日本は変わってきたんですよね。太田さんは絵本作家の地位確立を牽引してくださった。その結果日本の絵本は質が高くなって、外国でもどんどん出版されるようになりました。はじめは韓国や台湾で、日本の本が沢山出版されて、それから10年もしないうちにその国から素晴らしい作家が沢山あらわれてきた。和歌山さんがおっしゃったように2000年に韓国の絵本展をさせていただいたんですけど、今度は日本の作家の皆さんが衝撃を受けられた。韓国では先ほどのカンさんや、やはり太田さんと親しいリュウ・チェスウさんが絵本の世界を引っ張ってこられた。

和歌山さんが日本の絵本は負けてしまうかも知れないとおっしゃっていたけど、勝つとか負けるとかではなくても、絵本が変わってきていることは確かです。新しい作家の方も沢山育って来ていて、今後どんな活躍をされるか興味があります。一方で出版界は、電子書籍の時代に直面している。出版社や編集者は要らなくなるんじゃないか、という危機感がある。
個人的には、絵本は絵本で、電子書籍というメディアに負けないような物を作る、売れればいいというのではなく、良いものを作ろうという意識で、これからも良い作品が沢山出てきてほしいと考えています。

征三
太田さんと1960年代からの絵本について、もうちょっとまとめたいなと僕自身も思ってて、そういうことをやるのが絵本学会の役目なのかなって。今回の絵本学会の会誌の特集は赤羽末吉さんの生誕100周年。赤羽さんは大八さんよりさらに10歳上なんですが、赤羽さんは途中から50歳くらいの時に絵本の世界に入ってこられた。そこが赤羽さんと大八さんの違いなんです。大八さんは若い頃から、童画の時代からずっと歩まれてきたんですね。童画家の人たちと付き合いながら、なおかつ新しいことをされて、自分を確立された太田さんは、もっと注目されていいアーティストだと思っています。

和歌山
太田さんが引っ張ってこられたアジアの絵本についてなんですけど、今アジアの中での日本の立場は、とても弱く見えます。太平洋戦争から65年たってそういう状況が続く中で、太田さんの気持ちは「みんな争わずに、友だちになろうよ」というのが、強くあると思うんですね。私もその気持ちを私なりに酌んで、中国にも韓国にも絵描きの友だちが沢山できて。私たちは60年安保がはたちのときでした。それからベトナム戦争があって。田島さんはベトナム戦争の反対運動をされていて、それからごみ問題。いつも戦っている人です。でもその大本には太田さんがいて、太田さんの戦いがあった。

今韓国の絵本がよいのは、作家の皆さんは60年生まれが多いんですけど、80年代に民主化運動で戦ってきた人たちなんですね。私たちはみんな戦ってきた。征彦さんもいつも戦っている人ですよね。絵描きっていうのは反体制側で戦わないといけないものだと思っています。太田さんが20年も前に、先を歩いて下さっているので、私はこのあと一年に一冊ずつ描いても、20冊はよい絵本が描けるなと思う。年を取るのが楽しみなんです。
posted by WAVE at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2010年12月02日

「WAVE in ながさき」会場風景

2010年11月20日(土)と21日(日)に長崎県美術館で開かれた、WAVE in ながさき の様子をご紹介します。近日中に、内容もご紹介いたします。

onoakira.jpg
小野明さん

yoshikawa.jpg
吉川和孝さん(佐川美術館学芸員)

wave3.jpg
wave2.jpg
左から、田島征三先生、和歌山静子先生、田島征彦先生、太田大八先生、穂積保(こどもの本WAVE代表)

yukihiko.jpg
田島征彦先生

seizo.jpg
田島征三先生
posted by WAVE at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2010年11月02日

WAVE in ながさき お申込みについて

WAVE_nagasaki.pdf

WAVE in ながさきのチラシをアップいたします。申込み方法やイベントの詳細は、こちらでご確認ください。


【お申し込み方法】【先着順】

下記宛先に、希望の企画名(例:WAVE1-A)、氏名、年齢、住所、電話番号、FAX番号を明記の上、FAX、ハガキ、E-mailのいずれかの方法でお申込下さい。
数日中に受付確認のご連絡をハガキにていたします。
複数のイベントへのご参加も歓迎です!!

FAX 095-833-2115
E-mail workshop-01@nagasaki-museum.jp
ハガキ 〒850-0862 長崎県長崎市出島町2番1号
    長崎県美術館「WAVE in ながさき」係

※参加者全員の氏名、年齢、住所、電話・FAX番号をお知らせください。
※定員になり次第、応募を締め切らせていただきます。
※都合により内容等が変更になることがありますので、予めご了承ください。

◎第一日目 11月20日(土) 13:00〜 受付
 イベント番号【WAVE 1-A】
 第一部 13:30〜14:30 講演「15人の絵本作家とその作品」
 講師: 小野明(フリー編集者)
 イベント番号【WAVE 1-B】
 第二部 14:40〜16:10 講演「太田大八・60年の画業」
 出演: 吉川和孝(佐川美術館学芸員)

◎第二日目 11月21日(日) 10:00〜 受付
 イベント番号【WAVE 2-A】
 第一部 10:30〜11:30 シンポジウム「日本の絵本 戦後60年の歩みPart3」
 出演: 太田大八、田島征三、和歌山静子、田島征彦
 イベント番号【WAVE 2-B】
 第二部 13:30〜15:00 講演「絵本と落語」
 出演: 田島征彦(染色家・絵本作家)
 イベント番号【WAVE 2-C】
 第三部 15:10〜16:40 「僕の絵本」
 出演: 田島征三(絵本作家)
(第二日目終了後、出演作家によるサイン会を予定)

●参加費:無料
●参加対象:中学生以上の方(小学生以下は保護者同伴でご参加ください)
●定員:各回100名

みなさまのご来場をお待ちしております。
posted by WAVE at 18:45| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて

2010年10月05日

WAVE in ながさきのお知らせ

■長崎県美術館にて「WAVE in ながさき」が開催されます!
http://www.medialynx.co.jp/mediahp/new/index.htm#101121

WAVEが2010年秋、長崎にやってきます!!

日時:2010年11月20日(土)〜21日(日)の2日間
会場:長崎県美術館 2Fホール

「WAVE in ながさき」では、絵本作家や絵本の仕事に携わる方々を講師に招き、
講演やシンポジウムを開催します。皆さまのご参加をお待ちしております。

◎第一日目 11月20日(土) 13:00〜 受付
 第一部 13:30〜14:30 講演「15人の絵本作家とその作品」
 講師: 小野明(フリー編集者)
 第二部 14:40〜16:10 講演「太田大八・60年の画業」
 出演: 吉川和孝(佐川美術館学芸員)

◎第二日目 11月21日(日) 10:00〜 受付
 第一部 10:30〜11:30 シンポジウム「日本の絵本 戦後60年の歩みPart3」
 出演: 太田大八、田島征三、和歌山静子、田島征彦
 第二部 13:30〜15:00 講演「絵本と落語」
 出演: 田島征彦(染色家・絵本作家)
 第三部 15:10〜16:40 「僕の絵本」
 出演: 田島征三(絵本作家)


※参加者の募集は11月1日からを予定しております。応募方法については、追って記載いたします。
posted by WAVE at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | WAVEについて